藤本真澄映画賞
故・藤本真澄は生涯に渡って269本の映画を製作し、「社長」シリーズ、「若大将」シリーズなどの娯楽性に溢れた映画を製作する一方、成瀬巳喜男監督と組んだ文芸映画など、幅広いジャンルの映画を世に送り出し、永年日本映画の製作に対して多大なる貢献、実績を残した。
その藤本氏の業績を記念するとともに、故人の念願であった日本映画産業の向上発展の一助となすべく、毎年、全国の劇場公開用として製作、一般に公開された映画の中で、特に観客の多大な支援を受け、優れたエンターテイメント性を持った映画の製作者を中心に表彰するものである。
第44回(2024年度)
![]() 前列 左より 塚原あゆ子氏、新井順子氏、野木亜紀子氏 後列 左より 安田淳一氏、押山清高氏、大山 良氏 <第44回 藤本真澄映画賞授賞式(2025年4月16日)にて> |
藤本真澄映画賞 | 『ラストマイル』の製作に対して |
新井順子 野木亜紀子 塚原あゆ子 | |
授賞理由
2つの異なるテレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の世界観をクロスさせた〈シェアード・ユニバース〉をベースに、新たなオリジナルストーリーを作り上げた。また、現代消費社会の巨大物流システムを背景にとり、多彩な登場人物とドラマ構成により、社会問題を告発するばかりに留まらない多層的な社会派エンタテインメント作品に仕上げた。この特異な創造性が見事に結実し、観客の大きな支持を獲得したその功績に対して贈ります。 |
藤本真澄映画賞・特別賞 | 『ルックバック』の製作に対して |
押山清高 大山 良 | |
授賞理由
藤本タツキ原作の世界観である漫画作家たちの友情、葛藤、嫉妬、絶望そして再生復活の物語をアニメーターの線のニュアンスを完成動画に残す「原動画制」という手法を駆使し、見事に表現した。全てのクリエイター達への応援賛歌となった本作は、広く観客に支持され、58分という上映時間、異例の入場料金設定をものともせず、非シリーズアニメながら高い興行成績をおさめた。その功績に対して贈ります。 |
藤本真澄映画賞・奨励賞 | 『侍タイムスリッパー』の製作に対して |
安田淳一 | |
授賞理由
自らが愛して止まない「時代劇」を作りたいという情熱を一つの脚本に結集し、そこに魅せられたプロ集団を引き寄せ、1本の自主製作時代劇を完成させるに至った。たった1館から始まった興行は、観客の圧倒的な支持を得て300館以上で拡大公開される快挙を成し遂げた。この様な現象は近年の映画界に見られない胸のすく事件である。数多ある時代劇映画に新風を吹き込んだ、その功績に対して贈ります。 |
藤本真澄映画賞選考委員会 ● 委員長 中川 敬 ● 委員 襟川クロ/樋口尚文/品田英雄/金澤 誠/市川 南(敬称略)
第43回(2023年度)
藤本賞 | 臼井 央 | 「ゴジラ-1.0」の製作 |
阿部秀司(故人) | 〃 | |
山田兼司 | 〃 | |
岸田一晃 | 〃 | |
阿部 豪 | 〃 | |
守屋圭一郎 | 〃 | |
藤本賞・特別賞 | 柳井康治 | 「PERFECT DAYS」の製作 |
役所広司 | 〃 | |
ヴィム・ヴェンダース | 〃 | |
高崎卓馬 | 〃 | |
藤本賞・新人賞 | 内藤圭祐 | 「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の製作 |
第42回(2022年度)
藤本賞 | 松井俊之 | 「THE FIRST SLAM DUNK」の製作 |
藤本賞 | 尾田栄一郎 | 「ONE PIECE FILM RED」の製作 |
梶本圭 | 〃 | |
柴田宏明 | 〃 | |
髙野健 | 〃 | |
藤本賞・奨励賞 | 平野隆 | 「ラーゲリより愛を込めて」の製作 |
下田淳行 | 〃 | |
藤本賞・新人賞 | 武井克弘 | 「BLUE GIANT」の製作 |
備前島幹人 | 〃 | |
藤本賞・新人賞 | 深瀬和美 | 「死刑にいたる病」の製作 |
藤本賞・新人賞 | 宮川朋之 | 「仕掛人・藤枝梅安」の製作 |